TECHNICAL NOTEテクニカルノート

主要なステンレス溶接の専門用語を集めています。クリックしてご覧ください。

パイプインデックス
パイプインデックスはパイプを回転させることにより、平面でしか出来なかったレーザー加工を立体的に加工出来ます。これにより簡単にパイプの側面にパイプを取付けることが可能です。通常、手作業の場合、角度がついたパイプが必要な際には加工者が計算を行い、カット部分をケガいた後、カッターやキリ・ホールソー等で対応しなければならず、どうしても時間を要します。これをパイプインデックスで行うことでCADでのプログラムが作成可能になり、複雑な角度のパイプやパイプ側面にあける穴の形状など、手作業で困難な部品にも対応できます。パイプの切り口が形状通り切れているので溶接作業の作業短縮、外観美の品質向上等、ご要望通りの部品が製作出来ます。またプログラムでの加工のため、繰り返し同じ部品を製作することが可能になります。
Φ165.2 t=3.0の側面にΦ50の穴をあける作業手作業の場合
加工者がハイトゲージ、ポンチを使いケガいた後、ボール盤にて作業します。パイプインデックスを使用した場合:プログラム作成後、加工機に設置し加工を行います。
※複雑な形状にカットしたり、穴をあけるとなると、手作業では半日~1日かかる事もありますが、パイプインデックスだとプログラムが1度出来ると数分~1時間で可能な場合もあります。
レーザー加工
パイプのカットや穴の形状をプログラムで特殊な物でも対応出来ます。複雑な形状の穴があけれるのでいろんな字体も文字も板に刻む事が出来ます。板厚がSUSで12.0mmまで可能です。
酸洗処理
酸洗処理とはステンレス製品の表面をエッチングにより溶解させ、溶接焼け・スマット・スケールを除去し、同時に脱脂を行う処理です。酸洗処理は溶液中に浸漬をするので、より複雑な形状に素早く対応させることが可能です。また表面仕上がりは全面均一な白い梨地肌となり、耐食性も向上するコストパフォーマンスに優れた処理方法です。
電解研磨
装置の排気・吸気・給水・排水に使用します。電解研磨とは、ステンレス製品を電解研磨溶液中に浸漬させ、プラス(陽極)側として電流を流し電気化学的に溶解させ、平滑化及び鏡面化を施す処理方法です。ステンレス製品の表面の微細な凸凹は研磨されると同時に機械加工等による変質層、溶接焼けも除去され、不動態皮膜が形成されて耐食性が向上します。また複雑な形状の製品のバリ取り等の研磨には、最も有効な処理方法です。
バフ研磨
バフ研磨とは、円形状に切り抜いた布の外周面に研磨剤を塗ったもので磨いていく研磨です。表面の仕上がりは鏡面のような光沢のある表面が得られます。
真空チャンバー
半導体装置に一部で装置の内部を真空状態にして使用します。真空状態ですので外部より大きな圧力がかかりますので、溶接作業では熟練の作業者がこれを製作しています。また真空にして使用するため、弊社では真空引き出来る装置を準備し、全数に対して真空検査を行っております。
ウェーハについて
ウェーハ(wafer ウェイファ)とはICチップの製造に使われる半導体でできた薄い基板のことで、半導体素子製造の材料です。シリコン製のものが多く、これを特に「シリコンウェーハ」と呼びます。信越半導体は世界第1位、SUMCO(三菱住友シリコン)は世界第2位と日本が世界のトップを独占しています。
槽(半導体・液晶関連)
半導体の洗浄装置や液晶パネルの生産ラインで使用される槽は、製作においてシビアで精度の高さが必要不可欠です。液晶パネルの生産ラインで用いられる槽は、パネルを水平に通す必要がある為、高さ、寸法に対して厳しい製品となります。半導体、液晶パネルの生産ラインでは、強い薬液を槽内で使用するので、槽からの液の漏れが絶対にないように製作しなければなりません。製作に際しては、各工程で細心の注意を払いながら溶接加工を行い、液漏れが無いよう漏れ検査を実施しています。
Tig溶接
Tig溶接とは、タングステン・イナート・ガスの略称でタングステン合金を電極とする溶接のことを指します。溶接時にタングステン電極と溶接する材料との間にアークを発生させます。アルゴンガス(不活性ガス)によって、溶融金属を大気から保護し、溶接による金属の酸化を防ぐことができます。溶接を行う際に両手を使うため、難易度は高い溶接方法です。ただしTig溶接は、薄板の溶接やステンレスや鉄など幅広く適応しています。
アルゴン
アルゴンは空気中で窒素、酸素に次ぐ3番目に多い気体で、他の物質と反応しない不活性な性質を持っています。工業用途では、ステンレスのTig溶接で多く使用されています。
溶 接
【 全 周 】
指示された箇所を全て接合する溶接
【 千 鳥 】
溶接する部分と溶接しない部分が交互に存在する溶接
【 タップ 】
間隔を置いて分けて接合する溶接、並列溶接ともいう
【 すみ肉 】
ほぼ直交する2つの面を三角形状の断面で接合する溶接
【スポット】
抵抗発熱を利用し、薄い金属同士の一部(局所)を溶かし接合する溶接
タングステン
タングステンとは、金属の名前で、元素記号では『W』となります。スウェーデン語で“重い石”という意味で重さは金と同等レベルで、鉄の2.5倍あります。また熱に非常に強く、おおよそ3000℃以上でないと溶けません。Tig溶接では、電極棒として使用され、研磨角度によってアークの広がり方も大きく変わります。
ステンレスの種類
ステンレスの種類は、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、フェライト系の3種類に分類されます。オーステナイト系で代表的な材質は、SUS304で絞り、曲げなどの加工性が良好であり、溶接性にも優れています。用途も装置関連、自動車関連、食品加工関連、プラント関連など様々な分野で多岐に使用されています。またSUS316、SUS316Lといった耐食性に優れているステンレスも、オーステナイト系に属しています。フェライト系で代表的な材質は、SUS430でオーステナイト系と同様で、加工性並びに溶接性に優れています。耐食用として用いられているため、主に厨房用品関連などに使用されています。ステンレスは、鋳造の際に様々な形に形成されています。形状は、平板、パイプ、角パイプ、アングル、丸棒、ソケットなど、様々な形、また表面加工を施されて販売されています。
ステンレス表面
【 NO.1 】
銀白色で光沢がなく、熱間圧延後に熱処理・酸洗を施したもののこと。
【 2B 】
やや光沢のある仕上がりで、冷間圧延を施したもので、一般用材として幅広い加工品に使用されている。
【 BA 】
製造工程で冷間圧延後、光輝熱処理し、再び冷間圧延したもので、鏡面に近い光沢がある。
【#400 】
2B材に400番バフによって仕上げたもので、BA材に近く光沢がある。
【 HL 】
長く連続した髪の毛にような研磨目を付けたもののこと。
【 NO.4 】
光沢のある細かい目の仕上りで、150~180番の砥粒で研磨したもの
パイプの種類
ステンレスパイプの種類について、大きく3種類に分けられます。
1つは、配管パイプ。配管パイプは一般構造物に使用され、幅広い製品、部品に使用されている。
2つ目は、化粧パイプ。化粧パイプは美観に優れている。また、耐食性・耐久性に優れており、装飾品や外観美を要する構造物などに広く使用されている。
最後3つ目は、シームレスパイプ。シームレスパイプは継ぎ目のないパイプのことを指します。
耐海水性、耐久性に優れており、強度も高いパイプです。熱交換器やプラント関係に幅広く使用されている。
BA管・EP管
BA管は、継ぎ目無しのステンレス鋼管を冷間引き抜き加工及び光輝炉にて固溶化熱処理を施すことによって、内面平滑度を向上させ、管内に流れる液体、気体が留まることなく潤滑に供給されるために製造された精密管のことを指します。対してEP管は、管内面に電解研磨処理を施すことよって、表面を平滑鏡面に仕上げ、また電化研磨処理時の化学反応により、安定した不動態皮膜が再生されることで、より耐食性が向上した高純度精密管のことを指します。
ボルト・ネジ・ナット
【 六角ボルト 】
六角形の形状を頭部にもつボルト
【 アイボルト 】
製品を吊り上げるために用いられるボルトで、頭部がリング状になっている。
【スタッドボルト】
両端にネジを持ったものや全てネジの特徴をもつボルト
【 皿 ネ ジ 】
逆円錐に形状になっているのが特徴で、皿穴に対して用いて金属の表面からネジが飛び出ないようになっている。
【 六角ナット 】
形状が六角形のめねじ
幾何公差
完全に正しい形状や位置に対して明らかな定義を与え、その幾何偏差の許容値(幾何公差という)の表示、並びに図示法を定めたもの。
定 盤
定盤とは、ハイトゲージ、ケガキ作業、溶接作業など基準面となり加工において重要な器具です。材質は、鋳鉄やはんれん岩が使用されています。また平面度によって等級が異なります。設置の際には、長期的に平面を保つことが可能で、自重でたわまないように十分に注意することが重要です。
クリーンルーム
クリーンルームとは、空気清浄度が確保された部屋のことです。気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定されて清浄度レベル以下に管理され、また、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われています。弊社では室内寸法が幅2400㎜、奥行6000㎜、高さ2400㎜のクリーンルームを完備しています。室内には、超音波洗浄漕と純水製造装置が完備しています。